齋藤巳乗先生のこと 菅会長のブログより

■思い出話し 「OST所長のひとり言」 2012.6.12

師匠の齋藤先生が、この世去られて9日です。
色々な事が思い出されます。

初めて仙台のセミナーに参加させて頂いた時、お昼ご飯に誘って下さいました。
古い先生方とともに食堂へ。

中に入るなり先生が、ビール4本!

(・_・)エッ..?

昼間からアルコール。
いやいやビックリしました。

当時の私は、ウブと云うか…
昼間からお酒を呑むと云う事なんか考えてもいませんでしたから…

結局罪悪感のようなものを感じながら、ご馳走になってしまいました。
(^^)

これ以来、仙台のセミナーに参加させて頂く度に、先ずはビール。
なれれば当たり前になってしまう。

セミナーが終わった後も、先生の電車の時間までご一緒させて頂きました。
勿論アルコールを呑みながらです。

色々なお話しが聞けましたねぇー。

楽しかったなぁー!

殆どのお話しは、治療絡みです。

関節の動かし方のコツとか、古い先生と齋藤先生の昔話しとか…。

当時は、東京近郊から6〜7名参加してましたからね。

セミナー以外の時間に齋藤先生とお酒を呑みながら、色々質問もさせて頂きました。

ある時
先生、こんなに凄い技術を何故普通に教えられるんですか?
(施術のセミナーは、肝心な所はお茶を濁して教えないのが常でしたからね。)

すると先生は
全部教えたって、出来る訳ないけどね。

確かに納得です!

教えて頂いた事を何度も練習して、腑に落としていかないと、自分のモノにならない。

先生は、業は盗め!
教わっても自分のモノにはならない。
と仰っていました。

業を盗むとは、観て自分で考え繰り返し練習して、腑に落とすこと。

私が齋藤先生から、卒業ですと云う言葉を頂いた時、業(技)を自在につくれるようになりつつあった時期だったと思います。
盗めていたのかなぁー!?

オステオパシー誇張法、受け継いでくれる方が出て来ますように。

私から業を盗んで下さい。

私も齋藤先生同様、隠すモノはありません。
齋藤先生ほど凄くはないですがね。

思い出話しはキリがありませんので、この辺で。

先生は、あちらの世界から見守って下さっていると思います。

頑張って伝えて行きます オステオパシー誇張法。

■意識の使い方で… 「OST所長のひとり言」 2012.3.5

オステオパシー誇張法は、とても精妙な技術です。

大事なことは、ごくごく軽い圧と動かす方向です。

もうひとつ!
とても大事な要素があります。

昔ね
なかなか齋藤先生のように結果が出せなくて、しかも解放までかなり時間がかかってしまう。
(今思うとそんなに簡単に先生と同じように出来るわけないのですが ^^;)

先生と私のかけ方は、何が違うんでしょう? とお尋ねしました。

先生は方向が微妙に違うのかもしれないね。

暫くしてから、方向は大丈夫だと思うんですが、何が違うんでしょう?

圧が強いのかもしれないね。

なかなか先生のようにはいかない。

また暫くして
先生、方向も圧も大丈夫だと思うんですが、何が違うんでしょう?

先生は、ん〜何が違うんだろうねぇ。

それから数年してから、あることに気付きました。

この答えをもって先生の所へお邪魔しまして、先生誇張法って、……ですよね?

すると先生は、そうです。

答えが出るまで、何年もかかりました。

先生は、気付いて欲しかったんだと思います。

先生はよく、教わったものは本当の意味では自分のものにはならない。
観て盗みなさい!
自分で考えて答えを出しなさい。
と仰っていました。

学校では、この答えをおしえています。

イメージと意識の使い方です。

先日も骨格模型を操作して、生徒さんの顔面骨を動かしてみました。

顔の形が変わりましたよ。

体には一切触れずにです。

この生徒さんは、胃に違和感があったのですが、模型を通して胃の違和感も取れました。

目に見える部分が変わると云うことは、目に見えない体の内部も変えられると云うことです。

ここまで動かせるようになると、誇張法がたのしくて楽しくて!

このレベルまでは、学んで下さる方に教えられます。
何故ならば、私が出来ることだからです。

が、あくまでも皆さんの許容範囲内でしか教えられません。

このレベルまで受け取って下さる方が現れますように。

■誇張法と云うオステオパシー 「OST所長のひとり言」 2012.2.9

オステオパシー誇張法は、頭蓋調整を基に福島の齋藤巳乗先生によって考案された、オステオパシー技術です。

齋藤先生は、私が唯一尊敬している治療家です。

齋藤先生の誇張法は、どんどん進化していく。

常に研究されていて、より単純になっていく。

見た目は単純で簡単そうですが、かなり難しいですよ。

ある日先生が、簡単な事を難しく見せる人は沢山いる。

でも、難しい事を簡単に出来なくてはいけません。周りが見ていて難しそうに見えるものは違います。
って仰っていました。

自分で20年以上誇張法をやっていて、つくづく難しいと思っていました。

今は、そこそこ自由に誇張法を使いこなせます。

誇張法は使いこなせるようになると、無限の可能性が出てきます。

方程式がありませんからね!

方程式がないがゆえに難しい。

方程式がないがゆえに無限に応用が効きます。

齋藤先生が今のレベルに到達されたのが、10年位前だと仰っていました。

その前のレベルでももの凄かったのに。

私が今のレベルに到達したのは、数年前です。
レベルは、どんどん上がってきています。

勿論、齋藤先生のレベルではありませんが。

でも超えていこうと思います。

師匠を超えるのが弟子の役目です。

もっとも齋藤先生は、弟子と云う形は取りませんでしたので、私が勝手に弟子だと思っているだけですが。

数年前の齋藤先生の一泊研修会での事。

私は触られるとバランスを崩しやすいので、基本的に見学で参加させて頂きました。

皆さんが練習している間、先生はそれを観ていらっしゃいます。

その時にふと
先生の体があいている。

先生の体を触らせて頂こうか?

師匠の体に触らせて頂くのは、もの凄く緊張します。

上手くできるかな?
もし皆の前でダメだしされたら?
ダメだしされたら、人に教えるなんてとんでもない事だよな!
10分位緊張しながら考えて、開き直りました。

もしダメだしされたら、その時は生徒さんに頭を下げて、教えるのはいっさい止めようってね。

先生の体を施術させて頂いて直ぐに、もっと力を抜いて と云う声が。

やはり緊張していたんですね。

リラックスして何時ものペースに戻った時に 良いですね!

とてもソフトで良いですよ。

〇〇先生(少し前までこの先生が誇張法を引っ張っていくんだろうなと思っていた先生で、今は誇張法は殆どされていないようです。)よりも優しい触り方です。

〇〇先生のは指圧ベースで、ゴツゴツしてましたが、菅先生のはとてもソフトです。

卒業です。

この時に先生が、何が卒業って言ったのか解りませんでした。

卒業です と云う言葉を何度か言ってくださり。

私が卒業って事なんだと理解しました。

大勢の前で卒業と言って頂き、嬉しいと云うよりポカンとしていました。

自分では、ダメだしもらったら・・・・・・。 なぁーんて思っていましたからね。

先生は滅多にこの様な事は仰いません。

私が知っている限りでは、誰に対してもこの様な事は仰っていません。

「 卒業 」

齋藤先生からのこの言葉は、私にとって宝物です。

誇張法創始者の齋藤先生からの言葉ですからね。

暫くしてから、私は自分がオステオパシー誇張法の伝承者の一人であることを自覚し始めました。

その時から、目に見えてレベルが上がってきています。

私が生きているうちに齋藤先生のレベルを超えられるかどうか解りません。

でも、次の世代に伝えて行きたいと思います。

私からオステオパシー誇張法を伝承してくれる方が現れますように。

もし現れなかったら、見えない世界から、指導させて頂きますかね。

他にもオステオパシー誇張法を教えていらっしゃる方はいると思います。

どの先生から指導を受けられても、誇張法が広まれば嬉しいです。

ただし、オステオパシー誇張法を勉強される方には、本気で学んで頂きたいと思います。

そこそこで満足されるのでしたら、何も難しい誇張法を学ぶ必要はありません。

何故難しいのか?

無限の可能性が、オステオパシー誇張法には潜んでいるからです!

誇張法について、私の想いを少しだけ書かせて頂きました。